「飛鳥さん、飛鳥さん!」

「・・・ん・・・ん?」

何度も揺り起こして、ようやく飛鳥さんが目を覚ました。


「・・・薫、子」

「もぅ・・・何でこんなところで寝てるんですか?!」

珍しく少し怒った口調の私に、一瞬驚いた飛鳥さんだったが、

それはほんの一瞬で、私はすぐに、飛鳥さんに抱きしめられていた。


「・・・」

私はその行動に驚き、固まる。


「薫子、誤解させて悪かった」

「ごか・・い?」


「・・・あぁ。華蓮の事だ」

「…ぁ」

…私は目線だけを飛鳥さんに向けた。

…飛鳥さんの表情は凄く真剣で、目線を逸らす事も出来なかった。


「薫子、よく聞いてくれ、華蓮は、俺の・・・」

私は生唾を呑み込んだ。・・・怖い。


「俺の、双子の姉さんだ」

「・・・へ?」

双子の…姉さん??

この時の私の顔は相当、間抜けだったかも知れない。

それくらい拍子抜けした顔をしていた。