【薫子side】

・・・朝、6時の目覚ましで目が覚めた。

いつもなら清々しく起きられるのに、

今朝は心がモヤモヤしたまま、スッキリしない。

…会社に行きたいくない。

そうは思っても、体調不良でもないのに、会社は休めない。

・・・しっかりしろ、薫子!

私は、両頬をパンパンと叩き、ベッドから出て洗面所へ。


…ゴトッ。

玄関の方から不気味な音が聞こえた。

こんな朝早くに誰か来たのか?…いや、まさかそんな事。

放っておきたかったけど、やっぱり気になって、

恐る恐る玄関に近寄り、覗き窓から外を見た。・・・でも、

外には誰もいない。…気のせいかな。


…今度は、玄関のドアを開けた。

…あれ、開かない…開かなきゃ困るんだけど。

私は力いっぱい玄関を押し開けた。

…ビクッ!!

ドアの隅から手、手が・・・。

ゆ~っくりとドアの外を覗き込んだ・・・。




「・・・あす・・・か、さん」

嘘でしょ?!い、いつからそこにいたの?

私は慌てて飛鳥さんを揺り起した。

…眠り込んでいたから。