華蓮は、俺の言葉に、クスリと笑う。

「確かに、飛鳥の言葉通りね?でも・・・

彼女に誤解をさせたままだと、取り返しがつかなくなるわよ?」



…俺は、また溜息をついた。


「そんな事は言われなくても分かってるさ」

誤解は解く。

…しかし、引っかかっている事も、一つある。


水野が、薫子の母親や、兄と共に会っていた事。

その理由が知りたい。


…さっさと食事を済ませた俺は、華蓮を残し、

一人先に店を出た。・・・もちろん、薫子の家に行く為に。


「…先程はどうも」

そう言って、突然俺の前に立ち塞がった男。…水野。


「…何の用だ、お前に用などない」

水野は自分が後を取る会社があるにもかかわらず、

俺の会社を受け、見事に受かり、業績の上げている。

部下、同僚、上司、すべての人から一目置かれる存在なのは認める。

しかし、この会社にいるのは、俺への当てつけ・・・

何でそんなにも、俺を敵対視するのか、さっぱりわからないが、

・・・薫子の事だけは、譲るわけにはいかない。



「私は大アリですよ、西条社長。

貴方の大事な薫子さんと、結婚しようとしてるんですからね?」


「・・・何?」