私たちの目の前には・・・

たった今愛してると言った、私の最愛の人、

西条飛鳥が立っていた。

…しかし、一人ではなく、その横には、

私より年上の、絶世の美女と言っても過言ではないほどの、

スレンダーな美人が、飛鳥さんの腕に自分の腕を絡め、

こちらに目を向けていた。


「…飛鳥さん、出張のはずじゃ」

無意識にその言葉が出た。


「薫子、何でここに?・・・出張は終わって、

今コイツと、食事に来てたんだ」


『コイツ』?凄く親しげないい方だ。

飛鳥さんは、私の不安をよそに、何でもないと言った顔。


「その、お連れの方は?」

龍之介が飛鳥さんに問いかける。

表向きは冷静だったが、内心怒りが込み上げていた。


「あぁ・・・コイツは「こんにちは」」

飛鳥さんの言葉に、かぶせるように水野さんが声をかけてきた。


「…水野、何で、お前がここに?」

飛鳥さんは怪訝な顔で水野さんを見つめた。


「あぁ。今日は、薫子さんと、お兄さん、お母様と、

お会いしてたんですよ」

水野さんは先ほどの営業スマイルで、言い放った。