“実はあのクマ、まだ持ってるの。

もうボロボロだけどね。

ずっとカバンについてる”


え…?


『俺も持ってる』


“そうなの?ちょっとビックリ”


家にあるけど、どうしても捨てられなくて…。


優月も捨てられないの?


どうしてなんだろう…?


画面の中の、優月の顔写真にそっと触れてみる。


綺麗になったよな…。


『優月。日本には帰らないの?』


“うん。こっちで仕事があってね。

ちょっと帰れそうにないの”


そうか。


やっぱり海外暮らしなんだ。


遠いな…。


近くに居たら、今すぐにでも飛んで行きたいくらいなのに…。