『どうして会えないかもしれないのに、あそこへ行ったの?』


俺が来る保証なんて、なかったはずなのに。


あんな寒い雪の日に、何時間も待って…。


どうして…。


“会いたかったの。

すごく会いたくて会いたくて。

気づいたら、走り出してたの。

蒼甫君は、どうして来てくれたの?”


『俺も、会いたくて。

すげー会いたくてたまらなくて。

俺も気づいたら、走ってた』


“でも、すれ違ってしまったんだね”


すげー悲しいよ…。


『どうして会いたいって思ったんだ?別れてたのに』


“蒼甫君が好きだったからだよ。

居酒屋で蒼甫君に偶然会って。

封印してた思いが、一気にあふれてしまって”


そうだったんだ。


俺のこと、思ってくれてたんだ…。


あの日、もし出会えていたら、何かが変わっていたのかな?


会えてたら俺、絶対優月を離さなかったのに。


でも、そんなこと言ったって、もう遅いよな…。