“でもね。旅をしていると、やっぱり人って一人じゃ生きていけないってわかってきたの。

受け取ることを怖がってたけど、でも今は差し伸べられた手を素直に受け取れるようになったの。

その代わりね、目の前に手を差し伸べてあげたい人が現れたら、私はすぐにそうするようにしてるんだ。

そうやって生きていくのが人間かなって、旅を通して気づいたの”


『そうなんだ。旅に出て良かった?』


“うん。結果的にすごく良かったと思う。

やりたいことも出来てるし、色んな人との出会いがあったし。

すごく充実してるよ。

蒼甫君はどう?

すごい俳優さんになったけど”


『うん。

俺、自分が思ってたより、俳優に向いてたみたいだ。

すげーやりがい感じてるし。

辞めずに続けてよかったと思ってるよ』


“そう。それが聞けて、私すごく嬉しいよ”


優月…。