「なぁ。ちょっと今、思ったんだけどさ。

アイツ、俺には俳優の道を進ませて、瀬名のモデルは辞めさせたのか?

その違いって何なんだよ」


「うーん。

まぁ、俺らの性格をよくわかってたんだと思うよ」


性格?


「俺も辞めて良かったのに」


瀬名がクスっと笑う。


「よく言うよ。

こんなに成功してるくせに」


まぁ…そうだよな。


優月と知り合ってなかったら、あの事務所に足を運ぶことはなかった。


俺は海外のコンテストで入賞するほどのサーフィンの腕前はないし。


プロのサーファーになって、スポンサーがついたところで、食べていくのは大変だったはずだ。


でも、今はそれすら簡単にサポートしてもらえる。


優月のお陰なんだ。


不思議だよな。縁って…。