「ど、どういうことだよっ。

お前ら付き合ってたんじゃないのかよ!」


胸が激しく動揺する。


こんなことに動揺する自分にも腹が立つけど。


「優月、お前に嘘をついてたんだよ…」


「嘘?」


「うん…。

優月に、別れようって言われただろう?」


「うん、言われた」


「アイツな、蒼甫のために嘘をついたんだ」


「俺のためって何…?」


どういう、意味だよ…。


「蒼甫に映画をやらせるためだよ。

お前の才能がわかってたから。

その才能を潰させたくなかったんだ」


え…?


「お前が未練を残さないようにするために、あえて身を引いたんだよ」


「な、んだよ。それ…」


あれは…。


全部、嘘だったのか?


瀬名のことが好きだって。


俺のことは好きじゃないって。


そんな…。