「一緒にバイトしてたし。

チャンスはあったはずだけど…。

ちょっとああいうタイプは俺、初めてで。

なんか、うかつに手は出せなかったな」


「なんで?」


「だって、アイツには好きなヤツがいるじゃん」


「あー…。まぁな」


瀬名がうらやましい。


俺だって優月が死ぬほど好きなのに…。


「瀬名は平気なのかなー。

優月と離れて…。

俺なら絶対行かせねーけどな…」


「ははっ。まぁそうだろうな。

裕樹は懐が深いからなあ。

見守れるんじゃねぇの?」


「どーせ俺は包容力がないですよー」


「まぁ、そうスネるなって。

とにかくよ。

今年の映画、頑張ろう。

お前にとっちゃ、代表作になるかもしれねーんだし」


「まぁ…そうだな…」


ドラマの話も来てるし、今年も忙しくなりそうな気配だ。