「優月ちゃん、大事に持ってた。そのクマ」


「え…？」


「いつもペンケースの中に入れてたよ」


どういうことだ？


なんで俺とお揃いのクマを大事に持ってるんだ？


優月に確認したい。


聞いてみたいのに…。


「さっちゃん！携帯貸して！」


「えっ？」


「お願い！」


「うん。どうぞ」


俺は優月のアドレスを探して、電話をかけた。


『おかけになった電話は現在…』


「通じない…」


「どうしたの？蒼甫君」


「優月の携帯、通じないんだ」


「えぇっ？」


ビックリするさっちゃん。


「待って。私もかけてみるから」


そう言って静華が、優月に電話をかける。


「ホントだ。通じないわ。どうして？」


優月、なんでなんだ？


「蒼甫」


瀬名が俺を呼ぶ。


「優月、今頃空港に向かってる」


「え…？」


どういう、意味だ？