「入るよー」


斉藤君の声だ。


「優月ちゃん、待たせてごめんね」


申し訳なさそうに入って来る斉藤君。


「じゃあ私は部屋に戻るね。また明日ね。おやすみなさい」


私がそう言うと、蒼甫君と斉藤君がおやすみと答えた。


私はドアのところで振り向き、蒼甫君の顔をチラリと見た。


優しく微笑む蒼甫君。


私も笑って、そっと扉を閉めた。





一階の和室に戻ると、さっちゃんはもう眠っていた。


斉藤君はさっちゃんが眠るまでそばにいてあげたのかもしれないな。


さっちゃんにベタボレで、本当に優しいもんなあ。


私も隣の布団に横になった。


私は瀬名君の言葉と、蒼甫君の言葉を思い出していた。


そばにいたいって言ってくれた瀬名君。


特別だって言ってくれた蒼甫君。


友達…というより、親友だと思ってくれているのかもしれない。


これからも、しばらく寂しい日が続くのかもしれない。


でも、二人の気持ちが聞けたから、私はまだまだ頑張れる。


そう思った。