トクンと、心臓が優しく跳ねる。


「俺、女の子を見る目はあるんだ。

それは瀬名だって一緒だと思う。

俺も瀬名も、優月を守りたかったんだよ」


守る…?


そんなふうに思ってくれてたの?


「俺も瀬名みたいに叫んでみてぇな。

優月のそばにいたいーってさ」


「蒼甫君」




「優月は特別だ」




蒼甫君が真剣な顔で、真っ直ぐに私を見つめる。


そのあまりに整った顔に、心臓の鼓動がどんどん速くなっていく。


「落ち着くまでは、しばらくあの状態だけどさ。

何かあれば、いつでも相談して。

わかった?」


そう言って優しく微笑む蒼甫君。


「うん…。ありがとう」


私はコクリと頷いた。




その時、コンコンと部屋のドアを叩く音がした。