「蒼甫はさ、ああいう性格だから、ちょっと強引なところがあったでしょ?

でも、瀬名君ってソフトじゃない。

優月ちゃんと瀬名君って、ちょっと似てる気がする。

なんていうか雰囲気が」


似てる…?


「すごくお似合いだと思う。ホントに」


確かにお互い活発な方とは言えないし、無口な方だし、テンションの高さとか、ちょっと似ているかもしれない。


「蒼甫に遠慮することないよ。

もうアイツは、アイツの道を進み始めてるんだし。

あれはどう見ても、瀬名君は優月ちゃんが好きなんだと思うわ。

瀬名君に応えてあげたら?」


そう言って、静華ちゃんはニッコリ笑う。


「ねぇ、静華ちゃん。静華ちゃんと渋谷君って大学どうするの?」


「私と渋谷はね、行きたい大学も学部も全然違うの。

だから、大学に行ったら別々になるわね」


「えっ、そうなの?」


「私は私立大。渋谷は国立を目指してるからね」


「いいの?別々で…」


「寂しいけど、しょうがないわよ。

冷めてるって言われるかもしれないけど、高校生の付き合いってさ。

大学に行ったら、あっさり別れたりするもんじゃないかなって気もするのよ」


「え…?」


「今はもちろん別れたくないけど。

大学に行ったら、新しい出会いも沢山あるしね。

渋谷、モテそうだし。

あっさりフラれそう」


「そんなこと言うなんて、静華ちゃんらしくないなー」


「そう?あたし、案外自分に自信ないわよ」


「えー?」


全然そうは見えないのに。