「どうして知ってるの?」


私、渋谷君にしか話してないのに。


「だと思った」


蒼甫君がくっと伸びをする。


どういうことなんだろう?


「守ってあげられなくてごめんな」


上げていた腕を下ろして、蒼甫君が私の頭をポンポン叩く。


「優月。

俺ね、ずっと前から優月を守ろうって決めてたよ。

そうしないとこの子は大変だと思った」


「え?」


大変って、どういう意味…?


「誰かが守ってないと、変なヤツに捕まって、傷つけられるかもしれないって思った」


「えー?そんなことはないでしょ」


「ううん。そうだよ」


「どうして…?」


蒼甫君の手が、今度は私の頬に触れる。





「可愛いから」