「まだ、決めてないの。

就職活動しなきゃいけないのにね。

でも、何がしたいのかよくわからなくて…。

こんなの言い訳だって、わかってるんだけど」


俺のために事務所に乗り込んだ優月。


俺は進路が決まったけど、優月は?


俺だって、優月に何かしてやりたいのに。


「優月。これから初詣に行かないか?」


「え…?」


「イヤ?」


「ううん、イヤじゃないよ」


「じゃあ、行こう」


俺と優月は、映画館から一番近い神社を目指した。


神社に着くと、三が日でもないのに意外と参拝客が多かった。


お賽銭を入れて、手を合わせる。


俺は祈った。


優月が幸せになれるように。


優月に笑顔が戻りますようにと…。