蒼甫君は床に座るとタオルで頭をワシワシと拭き始めた。


そしたら髪がボサボサになったので、なんだか子犬みたいで可愛いなと思った。


「まさか瀬名君がお店で寝ちゃうなんて思わなかったね」


「あれだけ起こしても起きないヤツって珍しいよな」


私は自分の近くにあったペンギンの置き物になんとなくデコピンをした。


なんかこれ、瀬名君に似てるかも。


「なあ優月。優月もこの頃大変だったんじゃない?」


「えっ?何が?」


「いっぱい、男連中に話しかけられたろ?」


そうだ。確かにそうだった。


二人と行動を別にし始めてから、急に増えたんだよね。


でも蒼甫君どうしてそのことを知っているのかな?