「…づき、優月っ」


「え…?」


「もう映画終わったよ」


瀬名君に言われて周りを見渡すと、お客さんは私と瀬名君だけになっていた。


「ごめ、ん。ボーッとしてた」


「大丈夫?立てる?」


「うん」


私は立ち上がると、瀬名君と映画館を後にした。


外に出ると、太陽の光が眩しくて、思わず目を細めた。


泣いてしまったせいか、目がチカチカと痛い。


「優月。これからどうする?」


「ん…。どうしようか」


「ちょっと、お茶でも飲もうか」


「うん」


私と瀬名君はしばらく歩いて、目についたカフェに二人で入った。