こんなところまで来てしまう自分が腹立だしい。


わざわざ、アイツを思い出してしまうようなもんだ。


あの日、この桜の木の下で、アイツとここでキスをした。


目を閉じる直前に見た、俺のあげたネックレスが、桜色に光って綺麗だった。


目を閉じても、耳をふさいでも。


見えるのはお前だけ。


聞こえるのはお前の声だけ。


思い知らされる。


こんなに好きだという事を。


本気で憎めたら、どんなにかいいのに。


俺の記憶の中の優月は、いつも綺麗に笑っていて。


まるで天使みたいに、俺をふわりと包んでしまう。