俺が踏んでしまったせいか、破れた紙袋の中からベロンと出ている小さなチェーン。


袋から取り出してみると、小さなクマのぬいぐるみのストラップがにょろりと顔を出した。


このタレ目のクマは、なんとも情けない顔をして笑ってる。


変な顔。


どうせ、誰かの忘れもんだろ。


ここに置いとこ。


……。


でも。


でももしアイツが、ここに置いたんだとしたら?


まさかな…。


それにしたって趣味が悪いし。


こんなもの選ぶ基準がわからねーし。


多分、違うだろう。


俺はスッと立ち上がった。