あの公園までは、学校の駅から電車で40分。


平日のこんな寒い夜に、アイツがあんな場所まで来るはずなんかないのに。


それなのに俺は切符を買って、電車に飛び乗った。


この路線を使うのは、あの日以来だ。


電車が駅に停車するたびに、無意識にアイツを探してしまう。


あの日、アイツは俺の横に座って。


眠そうな目をこすりながら、俺と一緒にいるのにもったいないって言って、必死に起きてたんだ。


俺の肩にコツンとおでこが当たるたびに、可愛いと思った。


いとおしいと思った。


あの時は、まさか別れる日が来るなんて、これっぽっちも思ってなかったけど。