20時まで。


それまで待ってみよう。


両手にはぁっと息を吹きかける。


ぎこちなく動いていた指が、じんわりと少しだけ温まった。


これは賭けなの。


もし。


もし蒼甫君に会えたら。


そしたら言うの。


好きなのは蒼甫君だよって。


嘘ついてごめんなさいって。


たとえ許してくれなくても。


それでも伝えたい。





大好きだって。





20時まであと一時間…。