久しぶりの屋上は、以前と何も変わっていなくて。


すごく、なつかしかった。


ここで私と蒼甫君は、何度キスを交わしただろう。


何度、抱きしめ合っただろう。


蒼甫君。


どうしよう。


私、まだ蒼甫君が好きだよ。


涙が止め処なく勝手に溢れてしまう。


『悩みそうな時はな、下向かずに上向け』


そうだ。


確か蒼甫君はそう言っていた。


空を見上げてみる。


12月の澄んだ空は、すごく綺麗。


綺麗だけど…。


頬につたう涙は止まらない。


蒼甫君、ダメだよ。


上を向いたって、悲しい。


隣に蒼甫君がいないと私、こんなにも苦しい。



蒼甫君、会いたい。



会いたい。




会いたいよ…。