さすがにこのまま帰るわけにいかないので、一旦優月を立たせる。


「んー」


「そのまま待ってろ。ほら、乗って」


俺がそう言うと、優月は言われるまま俺に掴まった。


俺は優月をおぶって歩き始めた。


まったく。


危なっかしいったら、ありゃしねー。


瀬名も何考えてんの?


なんでこんなバイトすること許してんだ?


客に飲まされたら、どうすんだよ。


帰り道に誰かにナンパされたり、追っかけられたらどうすんだよ。


バカ、アホ。


「あれー?」


ん?


「そーすけくーん?」


今頃、俺って気付いたわけ?


「そーすけくんらー」


そーすけですよー。


ったく。なんつー話し方だよっ、ボケ。


「夢かなー。夢見てるのかなー」


ん?


「嬉しいっ」


そう言って、俺にぎゅっと抱きつく優月。


ちょっ、えっ。何?この状態。


は?意味わかんないんですけど。