彼女のために注文してあげる蒼甫君を見ていたら、なんだか泣きたくなって来た。


ちゃんと料理を取り分けてあげてるし。


優しいもんね、蒼甫君は。


やだ。


嫉妬しちゃう。


やっとこの頃蒼甫君のことを、あんまり考えないようになっていたのに…。


やっぱり姿を見ちゃったら、気持ちが蘇ってしまう。


苦しい。


胸が痛い。


なんだか喉がカラカラ。


お水飲みたい。


「洋平君、ちょっと喉渇いた。お水飲んでいい?」


「あぁ、もちろん。そこの飲んでいいよ」


私は目の前にあったグラスを取って、ごくごくと飲んだ。


「おいっ。お前、それっ!」


「え…?」


やだ。


なにこれ?


喉が熱い。


「バカッ。それ日本酒だぞ。水はこっち!」


「うそっ、どうしよう」


「空腹にこんなアルコールきついの入れたらお前…。

あ…」


頭がフラフラする。


何、これ?


でも、なんかいい気分。