「ありがとう、瀬名君。

仕事早いし、うまいし。

このまま美容師さんになれそうだね」


ホントにすごいよ…。


瀬名君、美容師になったらいいのに。


そんなことを思っていたら。


一瞬視界がぐらりと揺れて。


私の首の前に瀬名君の白い腕が見えた。


ビックリして、鏡に写った自分を確認すると。


え…?


私は、瀬名君に後ろから抱きしめられていた。


「優月…」


「ど、どうしたの?瀬名君」


私の顔のすぐ横に瀬名君の顔がある。


どうしよう。


胸がドキドキする…。


「髪切った優月見てたら、なんかつらくなった…」


「え…?」


「つらかったろ?蒼甫と別れて…」


瀬名君…。


「よく言えたな…」


瀬名君の言葉に、一気に目に涙が溜まる。


「ホントによく頑張ったな…。

一緒に応援しような。アイツのこと」


「…うん」


そうだね。


私はずっと、蒼甫君を応援するよ。