次の日、私は学校が終わると、早速洋平君が住む町へと向かった。


電車で少し時間がかかったけど、駅を降りてすぐにあるというので、17時からの開始に充分間に合いそうだ。


「ここかな?」


暖簾に『居酒屋 平ちゃん』と書かれている。


多分、洋平君の名前から取ったんだろうな。


ガラガラと戸を開け、こんにちはと言って中へと入る。


「おー、ちょっと待ってー」


洋平君の声だ。


しばらくすると、頭にバンダナを巻き、エプロン姿の洋平君が出て来た。


「よく来れたな。方向音痴じゃないらしい」


なに、それー。


ひと言余計だと思う。


「今、仕込みの最中なんだ。

あ、おやじ紹介するから、待って」


おやじって、そっか。


お店のご主人か。


「どうも、こんにちは」


中から出て来た男性は、とても背が高くて。


洋平君の背の高さは遺伝なんだなと思った。


「あの、はじめまして。竹内と申します。
今日はよろしくお願いします」


そう言って、ぺこりと頭を下げた。


「礼儀正しいねー。お前のいた高校にはいないタイプだな」


「うっせーよ、おやじ」


「コイツの行った高校、ワルばっかでね。

キミみたいないい子はいなかったなー」


うっ、どんな高校なんだろう?


ちょっと想像しちゃった。