「洋平君、どうしたの?」


背が一際高くてカッコイイ洋平君に、生徒達の視線を感じてしまう。


「お前に会いに来た」


「え?私?」


「時間ある?」


「…うん」


「どっか入るとこねーかな?」


「学校の近くはちょっと…」


洋平君、目立ち過ぎるんだもの。


「んー。じゃあお前を家まで送ってやるよ」


「えっ?」


「帰りながらでいいよ、話は」


「はぁ…」


なぜか洋平君と一緒に帰ることになってしまった私。


自宅近くの駅を降り、家までの道をゆっくり歩いた。


「あ、あの公園に寄ろうか」


あ…。


ここは…。


以前、蒼甫君と一緒に来た公園だ。


あの日、私の部屋でちょっと怪しかったんだよね…。


そんなことを思い出すと、また胸がチクリと痛くなった。