瀬名君は机に両腕をついて顔を伏せている。


寝不足だって言ってたもんね。


お腹がいっぱいになって、眠くなっちゃったのかもしれないな。


そっとしておいてあげよう。


そう思いながら、お茶を口にしたその時だった。


「づき~…」


ん?


私のこと呼んでる?


蒼甫君と私は顔を見合わせた後、二人で瀬名君の方を見た。


「ったく面倒くせぇんだよ!」


いきなり怒り出す瀬名君に、みんな驚いてビクッと身体が動いた。


「おい、瀬名。寝ぼけてんのか?」


ゆらゆらと瀬名君の身体を揺らす蒼甫君。


だけど瀬名君は、顔を起こそうとしない。


これは完全に眠っちゃってるなと思ったその直後。


「優月~。

俺は優月といたいんだよ~。

ッカヤロー…」


そう言って瀬名君は、ぐ~と眠ってしまった。