それからの毎日、私はどう過ごしていたのかほとんど覚えていなくて。


ただ、日々のことをこなす毎日だった。


私は、イチャさんの事務所のアルバイトを辞めた。


最後の日、イチャさんに沢山泣かれてしまった。


私もいっぱい泣いた。


娘みたいに思ってる。


そして感謝してると言って、ぎゅっと抱きしめてくれた。


あの事務所にある私の荷物と言えば、マグカップくらいしかなくて…。


それをカバンに入れた時、蒼甫君との接点が全てなくなってしまったような気がした。


蒼甫君とは、あの日以来一度も会えていない。


クラスも違うし、階も違う。


仮に偶然会えたとしても、悲しみが増してしまうだけだし。


会えない方がいいと思った。