「悪いことしたなら、あやまるから。

だから、そんなこと言うなよ。

優月だって、わかってるだろ?

俺、優月がいないと…」


「ごめん、蒼甫君。

もう、自分の気持ちに嘘がつけないの…」


「……どういう、意味?」


私をじっと見つめる蒼甫君にわからないように、震える指をそっと隠す。


「私…、蒼甫君のこと、好きじゃなかったみたい」


「はぁ?何それ?

そんなの信じられるわけないだろ?

どうしたんだよ。

最近、お前おかしい」


蒼甫君…。


「今まで寂しい思いさせたけど、これからはそばにいるし。

だからもう機嫌直して。

そんな悪い冗談やめてくれよ。な?」


「ちがうのっ」


大きな声を上げた。


「優月?」


言わなくちゃいけない。


言わなくちゃ…。


大好き。


大好きだけど。


こんな残酷なこと言うこと。






許して…。