待ち合わせは、私の家の近所の河原に午後4時。


私は10分前に来て、芝生の上に座った。


以前、ここで蒼甫君の写真を撮った。


真剣に、蒼甫君と向き合った。


向き合うことで、自分の気持ちにはっきり気づいた。


蒼甫君が、本当に好きなんだってことに…。


だからこそ、この場所で。


私は蒼甫君に別れを告げる。


言葉にしてしまったら。


もう。


どう転ぶかわからない。


嫌われてしまうかもしれない。


もう二度と会うことも、話すこともないかもしれない。


それでも。


それでも告げなければいけない。


蒼甫君を待ってる人がいるから。


私一人が、独占するわけにはいかない人だから…。