「優月を守りたいから、辞めるんだと思うよ…」


じゃあ、やっぱり私は…。


足手まといだ…。


「なぁ、優月」


瀬名君が、私の顔を真っ直ぐ見つめる。


「どうしても別れないといけないんだったら、別れる方法がひとつだけある…」


「え…?」


「多分、それしかないと思う」


「瀬名君。それは、どういう…」


「その方法なら、あいつは優月と別れること、承諾すると思う…」


指先が勝手にブルブル震えている。


「それ…。教えてくれる……?」


聞いてしまったら、私は…。


「後悔しない?」


言わなくちゃいけないのに…。


「……しないよ…」


別れなくちゃいけないのに…。


「蒼甫君が、俳優を辞めることの方が後悔だから…」


私の言葉を聞いて、瀬名君がきゅっと目を細めた。


「ん…。じゃあ話すよ。いい?」


「……うん」