瀬名君が眉間をつまんで目を閉じている間、さっちゃんと斉藤君と蒼甫君が、学校の先生の話で盛り上がり始めた。


私はよく知らない理系の先生の話だったので、黙々とサラダを食べていた。


すると、瀬名君がトントンと私の肩を叩いた。


「これ…」


「ん?」


「着てくれてるんだな」


「あぁ…」


服のことを言ってるんだね。


「あれ以来一度も着てなくて。今日が二回目だよ」


小声で言いながら笑った。


「似合ってるよ」


低く甘い声でそう言うと、トロンとした目で私を見つめる瀬名君。


口元も微笑んでいて、すごく優しい顔。


そ、そんな顔されると、ドキドキするんだけど…。


いつものクールな雰囲気と随分違うし…。


なんだか恥ずかしくて、私はひたすら食べるしかなかった。