「ごめんね。一緒に通いたいって言ってくれたのに」


「え?あぁ…、いいよ。

俺も、絶対合格するとは限らないしな…」


私もココアを口にする。


なんだかすごく甘い気がする。


甘すぎて、泣きたくなるくらい。


「短大とかはどう?」


「えっ?」


「高卒じゃさ、やっぱ就職とか厳しいみたいだよ」


「短大か…」


考えたことなかったけど。


「そうだね。ちょっと資料集めてみる」


「うん。きっと優月が気になる学科があるって」


にっこり笑う蒼甫君。


その笑顔にキュンとしてしまう。


私にだけ向けてくれるこの笑顔。


ずっと独り占めしたい。


でも、私は。


この人の手を離そうとしている。