「ゆーづき」


いつものように、無邪気な笑顔で私の席の前に座る蒼甫君。


「どした?なんかやつれてない?」


「あー、ちょっと夜更かししたから」


「夜更かしなんかすんなよー。可愛い顔が台無しー」


にっこり笑う蒼甫君。


可愛いって…。


蒼甫君はいつも『優月、可愛い。優月、可愛い』って言ってくれる。


よくよく考えてみれば。


私の事を可愛いって言ってくれた男の人って、蒼甫君が初めてだった気がする。