え…?


全然わからない。


言ってる意味がわからない。


どうして?


なんで?


「よ、洋平君…」


やっとのことで声を絞り出してみるけど、洋平君の表情は硬い。


冗談で言ってるんじゃないんだ。


「洋平君。私、そんなこと、出来ない」


蒼甫君と別れるなんて、私には…。


「わかってるよ。んなことは」


「え…?」


洋平君が組んだ腕をテーブルに置く。


「神崎がお前にベタボレなのはわかってるし。お前も神崎が好きなんだろ?」


そうだよ…。


私はもう、蒼甫君の手を離すなんて…。


私はコクリ頷いた。


「別れるって言って、アイツが承知するとも思えないしな。

でもさ…」


「でも…?」


洋平君が、強い瞳で私を見つめる。