「そ、そんなことない。

確かにすごく大切にしてくれてる。

私のこと、すごく考えてくれて。

でも、私が原因で仕事をやめるわけじゃないと思う」


そうだよ。


蒼甫君は大学進学や、サーフィンがあるから…。


「わかってねぇな」


「え…?」


「俺、確認したんだ。アイツに」


「な、何を…?」


「何が原因で、仕事辞めるのかって」


心臓がバクバク言ってる。


苦しい。


どうしよう。


「アイツ言ったよ」


待って。


やだ。


聞きたくない。


「お前のそばにいたいからだって…」


「……っ」


蒼甫君…。


「それが一番の理由だってさ」


洋平君がコーヒーを口にしながら、目だけを私に向ける。


彼はカップを置くと、大きく深呼吸をした。


「お前さ…」


え…?


な、に…?










「神崎と別れろ」