「で、でも。
たとえ才能があっても。
本人がそれを望んでないんだから、無理に押し付けるのもどうかと思うの…」


やりたくないことを無理にやるなんて…。


「アイツ、本当にやりたくないのかな?
映画撮り終わって、何の充実感もなかったのか?
ちょっと、信じられねぇけどな」


「え…?」


「ドラマ撮ってても、アイツの集中力ってすごくてさ。

ホントに光っててさ。

イキイキしてるように見えたんだけど、違うのかな」


そんなの、わからないけど…。


「なぁ。お前、ちょっと神崎をおどしてみろよ」


「はっ?」


ど、どういう意味かな…。


「映画に出ないなら別れるーとか言って、泣きわめいてみるとか」


「はは…」


「何?その苦笑い」


「だって…」


「こっちは大真面目なんだぞ!」


ドンッとテーブルに拳を落とす洋平君。


「……ご、ごめんなさい…」