「え?どうして洋平君、そのことを?」


ワタシの言葉に、洋平君が頬杖をつく。


「俺もそれ出るから」


「えっ?」


「まぁ、脇役だけどな」


そう、なんだ…。


洋平君にも話が…。


「主演は神崎だって聞いてさ。俺…嬉しくてすぐにアイツに電話したんだよ。

そうしたらアイツ…」


視線を落とす洋平君。


「映画には出ないって…」


ドクンと心臓が音を立てる。


「しかも、仕事も辞めるとかほざいてるんだろ?」


「う…ん」


「アイツ、ほんっとわかってねーな」


そう言って洋平君は、フンと鼻から息を吐いた。


「アイツは、みんなが喉から手が出るほど欲しい才能を全部持ってるんだ。

それをみすみすドブに捨てようとしてんだ。

アホ以外の何者でもない」