結局。



瀬名君はふりだしに戻った。



彼のモデルの仕事はこれからも続く。



それならば。



あの人の本性など知らないほうが、よっぽどよかったはずだ。



余計に瀬名君を苦しめることになってしまった。



結局私は、瀬名君を救うことなんて出来なかった。



どうにかして救ってあげたいなんて、



おごりに過ぎなかった。



ただ、やるせなさだけが残ってしまった。