お店を後にして、また洋平君は別の古着屋さんに入って行った。


この店にも、ところ狭しと洋服が置かれている。


その数に圧倒されてしまう。


こんな沢山の洋服の中からお気に入りを見つけるのは、まるで宝探しをするみたいだ。


「いらっしゃーい。洋平君」


「店長。いいの入ってる?」


「あー、洋平君に合いそうなのあったから、とっておいたよ」


「お?どれ?」


そう言うと、洋平君はまた店長と奥へ入って行った。


洋平君って常連さんなんだろうな。


お店の人とも仲良しだし。


しばらくすると、洋平君が袋を持って出て来た。


「ありがと。また寄る」


洋平君はそう言って、お店を後にした。


そんな事が、その後3回ほど繰り返された。


「今日はこのくらいにしとくかなー」


「洋平君、どこのお店に行っても顔を知られているんだね」


「あーまぁ、通い出してからもう長いからねー」


「ねぇ、どうして古着なの?」


私は素朴な疑問をぶつけてみた。