「ごめん…、優月。まだ早かった?」


こんなふうに泣いたら、蒼甫君が傷つくのに。


「痛かった?」


「違うの。ただ、なんだかすごく悪いことをしたような気がして。

本当にこんなことして良かったの?私達」


「優月…」


さっと私に布団をかけてくれたかと思ったら、蒼甫君にその上からぎゅっと抱きしめられた。


「俺は嬉しかったよ。

やっとひとつになれたから。

俺は優月が本当に好きだから。

だから、俺は後悔なんてしてないよ」


そう言って優しく微笑む蒼甫君。


「俺の気持ち、伝わってないかな」


蒼甫君の澄んだ瞳がゆらゆら揺れて、すごく綺麗…。


「伝わったよ。すごく…。

せつないくらいに」


そう言うと、蒼甫君がにっこり笑った。


「俺はますます優月が好きになったよ。

絶対離さないって決めた」


蒼甫君の言葉に、胸がキュンとする。


不安で罪悪感が襲って来ていたけど、蒼甫君の無邪気な笑顔を見ていたら、少しずつその気持ちも落ち着いて来た。


「ありがとね。優月」


蒼甫君はそう言って、私のおでこに優しくキスをしてくれた。