仰向けになっている蒼甫君が、私をぐっと引き寄せる。


私は蒼甫君の胸に手を置いた。


その手を握る蒼甫君。


「優月」


「ん…」


「俺、すげー嬉しかった。優月は…?」


私は…。


なんだろう。


どうしてだか、急に不安になってきた。


さっちゃんにもイチャさんにも、よく考えてと言われていたのに。


私は心の準備も出来ないまま、受け入れてしまった。


本当にこれで良かったの?


「優月?」


心配そうに私を見つめる蒼甫君。


「いやだったの?」


私は首を横に振った。


でも、本当にこんなことをして良かったのかわからない。


まだ高校生なのに。


「優月、泣いてる?」


気がつけば私の目から涙が流れていて。


それを隠すように咄嗟に頬を押さえた。