とっさに思いついたけど、バッチリ効果があった。


今度からこういうことがあったら、この手を使おう。


って、噂が広まって、筋肉ムキムキの男に迫られても困るけど。


怖いから、鍛えとこ。


その時、俺の携帯が鳴った。


「もしもし?」


『蒼甫君?』


「優月」


やった、優月だ。


「どうしたの?優月から電話なんて珍しいね」


『蒼甫君、今大丈夫?話せる?』


「うん、平気」


『今、バイト帰りなの。そしたらね、月がすごく綺麗で。なんか、蒼甫君と話したくなって電話したの』


「月?ちょっと待ってね」


俺はベランダに出て、空を見上げた。


「おっ、ホントだ。今日これ満月だな」


『綺麗だよね』


「うん…。すげー綺麗」


『隣で一緒に見たいけど見れないから、せめて電話で』


優月…。