なんか、この状況ってやべぇんじゃねーかな。


経験上、こういう状態の後ってロクな事がない。


うぅ~、中学時代を思い出す。


友達の姉ちゃんとか、先輩とか。


あの頃の記憶が、ギリッと蘇って来る。


ちょっと吐きそう…。


「神崎君。なんて顔してるのよ。

もしかして、経験ないの?」


そう言うと中谷さんは、俺の手を自分の胸に押し当てた。


手の平に、柔らかい感触がする。


キャミソールのワンピースから、チラリ見える白い胸元。


普通の男なら、押し倒すんだろうけど。


俺は違う。


断じて。


だって、俺の初めては。


たった一人の子に決めてるからな。


どうすっかなー。


女優さんを傷つけずに、この状況を回避する方法ってないもんかな?