天候も良かったし、撮影は結構順調に進んだ。


撮影が終わると、奏太君と中谷さんと一緒にご飯を食べた。


朝から夜まで同じメンツで過ごしていたら、俺は去年の夏を思い出していた。


瀬名と優月と過ごしたあの夏。


今俺の目の前にいるのは、背の高いカッコいい奏太君と、美人の中谷さんで。


どうしたって、被って見えてしまう。


俺は撮影の合間に、よく優月にメールをした。


今こんなシーンを撮ったよとか。


今日の晩飯はこんなだったとか。


今日の衣装はコレとか、写真付きで送ったりして。


夜は、どんなに遅くても必ず電話をした。


優月の歌うような声を聞いたら、どんなに疲れていても、また頑張ろうって思えた。


そうやって、撮影が半分以上終わったある日の事だった。