この部屋でカラオケを歌う人はいなくなったけれど、人の出入りはわりと頻繁にあって、誰かが入って来て中を伺っては、何も言わずに出て行く。


そんなことが幾度となく繰り返されていた。


私は特に気にせず、さっちゃんとの会話を楽しんでいた。


しばらくしてふと視線をドアの方へ移すと、私達と同じように角の席に座る男の子が二人いることに気づいた。


その二人もみんなの輪に入らず、二人だけで盛り上がっているようだ。


顔はあまりよく見えないけれど、一人は少し日焼けしていて、サラサラした茶色の髪が印象的。


もう一人の人は逆に色白で、無造作な黒髪のヘアスタイルがやたら際立つ。


その時だった。


突然茶髪の男の子が立ち上がり、私達のいる場所に近づいて来た。