「蒼甫君、急にどうしたの?1組の女の子達と話し出して」


私はまた膨れっ面になった。


「なに?もしかして妬いてんの?」


ニヤッと笑う蒼甫君。


「可愛いねー、優月は」


「ちょっ、ヤキモチなんかじゃないもん」


ヤキモチだけど…。


「バッカだなー、優月は」


「…え?」


きょとんとしていると、蒼甫君がそっと私に顔を近づけた。


「このクラスの女子と仲良くするに越した事ないよ。

俺がここに来やすくするために」


「え…?」


意外な言葉に、トクンと心臓が音を立てた。


「ジロジロ見られたり、コソコソ何か言われるくらいなら、いっそのこと仲良くした方がいいだろ?

友達になれば、歓迎してもらえる。

優月だって何も言われなくなるし」


「あ…」


「もう一年の頃みたいに、女子と話すの面倒くさいとか言ってられない」


そうだったんだ…。


それで女の子達に…。


「仕事で学んだよ。

周りの人が敵だと思うとしんどいけど。

仲良くしてれば、みんな協力してくれるよ」


「蒼甫君…」