「竹内!」


声のする方を向くと、驚いた表情をした渋谷君の姿が見えた。


渋谷君は勢い良く走って来て、私を女の子達から隠すように前に出た。


「お前ら何してんだよっ」


大きな声を張り上げる渋谷君。


私の方から渋谷君の表情は見えないけれど、背中でピリピリしている様子が伝わって来る。


女の子達はフンという顔をして、何も言わずにその場を立ち去って行った。


その後ろ姿を確認した途端、へなへなとその場に座り込んでしまった。


「竹内、大丈夫?」


しゃがみ込んで、私の顔を心配そうに覗き込む渋谷君。


「だ、いじょうぶ」


こ、怖かった…。


渋谷君が来てくれなかったら、どうなっていたかな。


その場に座り込んだまま、ゆっくり呼吸を整えていた時だった。